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図書紹介保護のなかのウィズ広島(1888-2022)、
もう1つの歴史への招待』

 更生保護法人ウィズ広島編纂

     領価1,000円税込み

(←クリックでサンプルがご覧いただけます)

 初夏が過ぎる頃、やっと「更生保護のなかのウィズ広島、もう1つの歴史への招待」がタカトープリントメディアから運び込まれました。自分でいうのもはばかりますが、見事な出来栄えです。。

これはむしろ、タカトープリントの久保さんをほめるべきでしょう。懸命に、粘り強く、付き添っていただきました。企画当初は、日常の雑務が気になってなかなか指先が動きませんでしたが、ウィズ広島に姿を出すと、決裁々、相談々、時にはドンとからかわれ、時には理事長センセイといわれて利用者や退所者と同座する日々でした。手にした記念誌をまえにそんな感慨に耽り、わが3年連用日記の去年の2022年1月16日(日)を振り返りました。「史、嘉屋さんの原稿に手を入れ、最終稿として再構成しよう。こんどこそ…云々」とあります。それから間もなくのことです。私の気持ちが弾まないのを見透したかのように嘉屋さんが束になった原稿を私の眼のまえにぼぉ~ンと置いたのです。労作です。その原稿や写真を分類、整理し、手を入れているうちにだんだんと私の手も動き始めました。

 わが3年連用日記、昨年の1月22日、2022年(金)、「快晴。書評に興味をもち『国語をめぐる冒険』をダウンロードしてサンプルを一読する。面白い。電子書籍を購入する。記念誌タイピング。史料、広島の福本久吉談を再読解、抜粋、引用。タイピング」とあります。こうして月日が経つうち、「誌」の構想はいつしか「通史」となり、嘉屋常務理事の原稿は、該当する年月日のなかに貼り付けられ、少しずつ元の姿を消していきました。
 毎朝、NHKの朝ドラ「らんまん」を見ていますが、主人公の万太郎は、植物学の雑誌を創刊するために昼は大学で標本づくり、夜は印刷所で石版印刷の技術を学びます。恋心を秘める寿恵子のことも忘れたように…。このように昨年から今年にかけて、私は万太郎でした。

 書く、消す、史料を読み解く、わが蔵書、kindleに保存している電子書籍から『思想史講義明治篇Ⅰ』を引き出し、時代を読み、体裁を学び、考える。まさに書くことは、畑を耕し、種をまき、施肥し、収穫する農作業とおなじです。こうして1年が過ぎ、制作は加速していきました。そして活字の大きさなどを修正し、表現を改め、役職員にも加除訂正してほしいと無理難題をいい、最終校正と自らにいいきかせてタカトープリントに校正刷りを渡しました。

 出来ました本書を再読すると、句点、句読点をはじめ誤りの箇所が処々にあります。本書あとがきに、ご寛容を乞うと述べましたが内心忸怩たるものがあります。チャンスがあればその後不十分な箇所を書き改め、改訂版を出したい気持ちがあります。それにしても、視点をわが広島に置くと、わが国保護事業は人生の恩師、今は亡き三浦強一広島県保護司連合会会長と同森山武市郎司法省官房保護課長との燦燦とした友情の時代、制度化されていきましたが、そのことを思うと、その叡知を唯々諾々と継承するだけでいいのか、問われているように思います。本書は、それを考える一助になるように思います

更生保護法人ウィズ広島理事長 山 田 勘 一

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